2008-01-01から1年間の記事一覧
考えてみれば、何かが起こるような気がした24日。 ブックオフの105円「う」の棚に 旺文社文庫・内田百けんがずらり。 それもほとんどが持っていないものだ。 『無弦琴』『随筆新雨』『鬼園の琴』『船の夢』『いささ村竹・鬼苑漫筆』 『東海道刈谷駅』『…
■フジテレビ「風のガーデン」を見ることが週の区切りのような 何週間かを送る。 末期ガンの息子を看取ることになる 実際に末期ガンであった俳優緒方拳の演技に 目が離せない。ふと気づくと緒方のことを考えている。 ■江國滋『落語美学』(旺文社文庫)がきっ…
■庄野潤三「プールサイド小景」と「静物」を読み驚く。特に前者は、思いもよらない場所でとんでもないものに出合った、そんな気分。ラストシーンを思い出すたびに、すごいなとため息。私が生まれた年にの作品であり、庄野がまだ33,4歳であったことにも驚…
文庫が見つからないので、ブックオフで河出書房新社『世界文学全集10 ゴーゴリ』を105円で買って「鼻」(横田瑞穂訳)を読んだあと、意外なところでこの作品名を目にした。書店でもらった『岩波書店 読書のすすめ 第12集』にある、河合真帆さんという朝…
庄野潤三が『自分の羽根』(講談社文芸文庫)の「ゴーゴリ」で書いている。 私はもっと早くゴーゴリを読めばよかったと思って後悔している。(略)私は小説が書けないときに、「死せる魂」を取り出して、どこでもいい、チチコフが駁者セリファンと三頭の馬と…
この2週間の心引かれたつまみ読みメモ 全集端本105円で入手した中央公論社の『日本文学全集52 尾崎一雄、外村繁、上林暁』は読みでがある。特に初めてふれる外村の作品は新鮮。「夢幻泡影」「澪標」。後者には、よくもここまで露骨にと、すこしあきれ…
説明のつかない不思議なことが時々ある。 藤井貞和『古典の読み方』(講談社学術文庫)の言葉ひとつひとつにうなずき、読みたい気持ちが高まっていたときだった。ブックオフに「新潮日本古典集成」がずらりと並ぶのを目に。一冊105円。こんなことでいいの…
■(1)夏井いつき「子規365日」(朝日新書)(2)宮城まりこ「淳之介さんのこと」(文春文庫)(3)四方田犬彦「人間を守る読書」を併読。(1)は朝日新聞愛媛版の連載。こんなふうに自由気ままに連載ができるものかと感心。(2)は怖いもの見たさに…
■必要があって山口瞳「男性自身 卑怯者の弁」(新潮文庫)の「山本周五郎十三回忌」読み返す。 山本さんは、私に、小説が書けなくなったら町内の掃除をしなさい、そうすれば誰かが助けてくれるよと言った。私は、一年のうち、三度か四度は、その言葉を思い出…
■山村修の書評集を読んでいると、どんどんつまみ読みの本がたまる。 藤井貞和の『古典の読み方』(講談社学術文庫)をネット注文したら、間違って2冊頼んでしまう。1冊は書き込み用。同じ筆者の『源氏物語入門』(同)も入手。 ■山村の『遅読のすすめ』に…
依然として講談社学術文庫熱が冷めず。昨日気になった4冊を購入。 小泉信三『私の福澤諭吉』 バーナード・リーチ『日本絵日記』 色川大吉『民衆史 その100年』 小泉八雲『日本の心』 それと 河合隼雄『日本人と心理療法』 合わせて2300円。
今日も狐漬け。『花のほかには松ばかり 謡曲を読む愉しみ』(檜書店)の序章「謡曲を読むということ」を、こういう読書があったのかと、わくわくしながら読む。発行日は著者が亡くなる四日前だ。頭がクラクラっとして、気がつくと大量に本を買ってしまってい…
ようやく手に入れた山村修『もっと、狐の書評』『水曜日は狐の書評』(ちくま文庫)と、同じ著者の『遅読のすすめ』(新潮社)も並行して読む。「ゆっくり読むこと」に共感。 油断すると、つい読む速度が速くなってしまう。自戒せねば。鶴ヶ谷真一が『月光に…
『洲之内徹が盗んでも自分のものにしたかった絵』(求龍堂)。宮城県美術館に収蔵されている洲之内コレクションと『気まぐれ美術館』などの文の抜粋。 私は鶴岡政男という画家を絶対に買う。あんな仕事のできる画家は日本人には他にいない。(略)鶴岡政男の…
晴れ上がり、読書欲増す。 坪内祐三『本日記』(本の雑誌社)を猛スピードで読む。そういう本。エピソードはたのしいが、もうひとつ残るものがない。しばらくすると思い出すかもしれない。 岡崎武志・山本善行『新・文学入門』(工作社)。この話題の本も一…
死神という言葉が話題になったからというわけではないが、柳家小三治の「死神」を通勤途中3回聞いて、あんまりいいので、小三治の「芝浜」にも手を出す。円生の「死神」も聞きたい。 久松潜一『万葉秀歌』四、五(講談社学芸文庫)が600円から105円に…
飲み会の翌日は本を買いたくなる。 中野翠『小津ごのみ』(筑摩書房) 横山秀夫『震度ゼロ』(朝日文庫) 柴田宵曲『随筆集 団扇の画』(岩波文庫) 中野不二男『デスクトップの技術』(新潮選書) 山本七平『日本人の人生観』(講談社学芸文庫) 飯田龍太『俳…
丸谷才一『月とメロン』の「歴史の書き方」に触発されて、この2日、芋蔓式にいろんなものに手を出し、思わぬ収穫。 その第1は谷沢永一『遊星群 時代を語る好書録 明治篇』(和泉書院)。与謝野鉄幹のスキャンダルが書かれた怪文書の顛末について紹介する一…
朝日新聞文化面の田中慎弥「夢も希望もないから」が面白い。特に最後の「この電車に乗っている人間のなかで『源氏物語』の原文を二回通読したのはたぶん自分だけだろうな」というくだり。 川上弘美の『大好きな本』の丸谷才一の本の話(父親に「この本のよろ…
東映の映画「クライマーズ・ハイ」を試写会で見る。いろんな思い錯綜。下山事件を扱った井上靖の中篇「黯い潮」が思い浮かぶ。これも記者とデスクの葛藤、そしてもう一つの静かな世界。山村聡主演で映画になったそうな。見たいと思う。 嵐山光三郎『不良定年…
川上弘美の書評集『大好きな本』(朝日新聞社)を読む。 本を取り上げながら、その著者に対する思いが書かれているようで、いくつかの文は、恋文を盗み見しているような気分になる。 最初はこの人にどんな思いをもっているのかという興味で村上春樹、松山巌…
梅田・斎藤『私塾のすすめ』(ちくま新書)。斎藤のテンションの高さに少し辟易したが、両氏の世界観におおむね共感。何、とはいえないが、何かをやってみようかという気持ちになる。 わけあって本田直之『レバレッジ・リーディング』(東洋経済新報社)に目…
『考える人』24号の特集「海外の長編小説ベスト100」が面白かったので、去年春に買い逃していた『考える人』20号(特集「短編小説を読もう」)をネットで購入。 川上弘美インタビューがたのしい。この人にはいつもびっくりさせられる。偏愛するアンソ…
野村進『調べる技術・書く技術』(講談社現代新書)読む。 取材の基本を誠実に紹介していて、好感。 ほぼ同世代の著者。影響を受けた内外のジャーナリスト、作品もほぼ重なる。 メッセージを送ろうとしている若い世代に対する思いも同感の部分が多い。 斎藤…
高田里惠子『グロテスクな教養』(ちくま新書)拾い読み。 ぱらぱらと見ていくのにちょうどいい。 庄司薫と、庄司の中央公論新人賞受賞作「喪失」に対する江藤淳の批判のくだりを読み、 手元にある江藤淳『忘れたこと 忘れさせられたこと』の「戦後文学の破…
森鴎外全集4『雁 阿部一族』(ちくま文庫)、『石橋湛山評論集』(岩波文庫)、布施克彦『54歳引退論』(ちくま新書)いずれも105円。 『雁 阿部一族』の解説で田中美代子は「友人中には、他人は『情』を以て扱うのに、わたくしは『智』を以て取り扱う…
高田里惠子『グロテスクな教養』(ちくま新書)350円。茂木健一郎『思考の補助線』(ちくま新書)のこんな言葉にしびれる。 枠の与えられたジグソーパズルを端から完成させていくという感覚ではあきらかにない。むしろ、一つのことがわかると十のことがわ…
ブラッドベリの『ウは宇宙船のウ』(創元推理文庫)、300円、しかも家の押入れのダンボールにあることを承知で買う。「霧笛」「長雨」「竜」…。タイトルを見ただけで絵が浮かぶ。 塩野七生『神に代理人』(中公文庫) ドナルド・キーン『日本との出会い』…
新潮社「考える人」の特集「海外の長編小説ベスト100」を拾い読み。 よくできた特集。 鶴見俊輔と高野文子の対談を楽しむ。 「私は現実の方が大事だと思っている」という高野の意外な健康さに鶴見が「すごいと思う」様子がよくわかる。 高校時代、『チボ…
長年使ってきたETONA製中綴じホチキス(90度回転式)の調子が悪いので ネットで探す。 文具店にある中綴じホチキスは細長くて大げさな製品だけだったので、 この形のものはもう製造していないと思っていたが、 簡単に見つかる(ETONAはセベクと…