星新一と苦心惨憺の跡

星新一 空想工房へようこそ』(新潮社、とんぼの本)でフーンと思ったこと、驚いたこと。文壇バー「まり花」で知り合った著名人に、コースター裏に書いてもらったサイン(その数、半端じゃない)。細かい字でびっしり書かれた「午後の恐竜」のメモ断片、ショートショート作品のために使われた膨大な量のメモの数々。苦心惨憺の跡。ラベルの上に娘が持っていたサーフィン関係のワッペンを貼り付けたバーバリーコート…。


松井健『柳宗悦と民藝の現在』(吉川弘文館)を読み、柳の仕事、頭のなかで整理ができた気がする。いくつかの言葉、メモする。

柳宗悦と民芸について考えてみることは、単に身辺の日常生活を美しく整えようという反省に到達するばかりではない。より大きな、私たちの生活文化の背後を熟考し、この時代と私たちの生活のあり方を批判的に考えることをも迫る…