一記者

毎日新聞が「メディアを考える」で、渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長兼主筆が、自民、民主の大連立構想に重要な役割を担ったことを取り上げている。
4人の識者は三宅久之氏を除き、渡辺氏の行動に批判的な姿勢。毎日新聞は昨日の夕刊でも「特集ワイド」で渡辺氏への手紙の形で「それでも終生一記者ですか」との見出しの記事を掲載している。
もし渡辺氏が毎日新聞の報じているような行動をとったのであれば、ジャーナリストとしての一線を逸脱していることは明らかで、この批判に対してはっきりと発言すべきと思うが、渡辺氏と読売新聞はまったく反応していない。
…この問題を書いているとなんだか気持ちが沈んでくる。
昨日の続き。疋田桂一郎氏の文章で心に残った言葉の一部をメモする。

世間のほうが新聞に求めている情報の正確さ公正さの水準と、今日の新聞がこたえている情報の質との間に、多少のズレがあるのではないか。世間で実生活者が常識的に描いている世界像と、新聞が映している世界像との間に、少し隙間があいていないだろうか。あるいは、ものごとをより多角的、多面的な鏡で乱反射させなければ、今日の読者は満足してくれない。ところが新聞は依然として一枚の鏡ですべてを映している、というふうなことなないか。(一九八〇年度日本記者クラブ賞「わたしの言い分」受賞の言葉)

三十年あまり取材を続けてきた経験が教えるところでは、どれほど努力してもそれだけで結果が良いとは限らない。しかし、努力しないで結果が良かったためしはない。記事は楽には書けないものだ、というのが私の実感である。(取材ということ)

今日入手した書籍。
秋月龍萊『鈴木大拙』(講談社学術文庫
木田元『現代の哲学』(同)
以上105円。

柴田宵曲正岡子規』(岩波文庫
江藤淳荷風散策 紅茶のあとさき』(新潮文庫
荷風随筆集 上』(岩波文庫)…以前、上下を買ったはずなのに見つからないため。
以上300円。
磯田光一永井荷風』(講談社文芸文庫)450円。


値段に関係なく購入してしまう。
たいした額ではないが。